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男性向けサプリの基本と選び方:表示の種類・法律のルール・品質の見方

ドラッグストアや通販には男性向けをうたうサプリメントが多く並んでいますが、サプリメントは法律上は食品であり、薬とは役割も、国のチェックの仕組みも違います。この記事では、表示の種類、使ってはいけない表現、品質の見方、飲む前に考えたいことを、消費者庁と厚生労働省の資料をもとに説明します。

この記事には広告(PR)を含む場合があります。

  • 「特定保健用食品」「機能性表示食品」「栄養機能食品」「いわゆる健康食品」の違い
  • 健康食品の広告で使ってはいけない表現と、それを決めている3つの法律
  • 品質の見方(GMPという製造管理の仕組み、成分量の表示)
  • 持病がある人、薬を飲んでいる人が飲む前にすること

サプリメントは食品で、薬とは別のもの

「健康食品」という言葉には法律上の決まった意味がなく、医薬品以外で口から取り入れる食品のうち、健康の維持や増進に役立つことをうたって売られているもの全般を指します(厚生労働省)。

薬は、病気の人を対象に効果と安全性が確かめられ、医師や薬剤師の管理のもとで使う仕組みが整っています。一方、健康食品の利用は本人に任されています。また、正規の医薬品には、正しく使ったのに重い副作用が出た場合の公的な救済制度(医薬品副作用被害救済制度)がありますが、健康食品による健康被害はその対象外です(消費者庁, 2019)。

表示の種類は4つ:国の関わり方が違う

食品に体の働きを表示できるのは、国の制度にもとづく「保健機能食品」だけで、次の3種類があります。それ以外は「いわゆる健康食品」です(消費者庁, 2022)。

健康食品の表示は4種類健康食品の表示は4種類国の関わり方が違う保健機能食品(国の制度)特定保健用食品(トクホ)国が製品ごとに審査し、表示を許可。許可マークがある機能性表示食品事業者が根拠を届け出る。国の審査はない栄養機能食品国の基準量を満たせば、決められた文言で表示できる−いわゆる健康食品国の関与はない。体の働きを表示すること自体ができない機能性表示食品の表示は、国が効果を保証したものではないです。
出典:消費者庁「保健機能食品について」(2022)、消費者庁「『健康食品』について詳しく知りたい方のために」(2019)。どの種類でも、病気の治療や予防を目的にした食品ではないです。
種類国の関わり方効果の根拠
特定保健用食品(トクホ)国が製品ごとに有効性と安全性を審査し、消費者庁長官が表示を許可。許可マークがある完成した製品を使った人の試験が必要
機能性表示食品国の審査はなく、事業者が自分の責任で、販売の60日前までに根拠の資料を消費者庁に届け出る完成した製品を使った人の試験、または論文をまとめて評価したもの(系統的レビュー)
栄養機能食品届け出も許可も不要。国が決めた基準量を満たせば、決められた文言で表示できる(自己認証)ビタミン・ミネラルなど20の栄養成分について、国が基準をあらかじめ決めている
いわゆる健康食品国の関与はない体の働きを表示すること自体ができない

たとえば亜鉛は、1日にとる目安量の中に2.64mg以上15mg以下が入っていれば、栄養機能食品として「亜鉛は、味覚を正常に保つのに必要な栄養素です」などの決められた表示ができます。あわせて「多量にとっても病気がよくなったり健康が増進したりするものではない」「とりすぎると銅の吸収を妨げるおそれがある」という趣旨の注意書きも表示することになっています(国立健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報)。

機能性表示食品の表示は「国のお墨付き」とは違う

機能性表示食品は、トクホと違って消費者庁長官の個別の許可を受けたものではなく、安全性や機能性の評価は事業者の責任で行われています(消費者庁, 2019)。病気のない人を対象にした制度で、病気の治療や予防を目的にした食品でもないです。

消費者庁は、国が効果を認めているかのように見せる行き過ぎた広告が問題になった事例を受けて、届け出た内容を超えた広告をうのみにしないよう呼びかけています(消費者庁)。事業者が届け出た安全性と機能性の根拠は、消費者庁の「機能性表示食品の届出情報検索」で誰でも確認できます。広告の言葉より、届け出の中身を見る習慣をつけましょう。

なお、2024年には機能性表示食品による健康被害の問題が起き、同年9月から、機能性表示食品とトクホの事業者は、医師が診断した健康被害の情報を把握したら、因果関係がはっきりしなくても速やかに行政へ伝えることが義務になりました(消費者庁・厚生労働省, 2024)。

健康食品で言ってはいけないこと:3つの法律

健康食品の表示や広告には、主に次の3つの法律がかかわります。

(東京都保健医療局, 2021/消費者庁, 2022)

東京都は、医薬品と誤解される表現の例として「ガンに効く」「高血圧の改善」のような病気の治療・予防の表現のほか、「疲労回復」「体力増強」「精力回復」「老化防止」のように体の働きを全体的に高めることをうたう表現も挙げています(東京都保健医療局, 2021)。ただし、トクホや栄養機能食品に認められた範囲の表示は別の扱いです。

健康増進法のこの規制は、表示を信じた人が食品をとり続け、病院にかかる機会を逃してしまうことを防ぐためのものと説明されています(消費者庁, 2024)。「飲むだけで」「医薬品と同じ成分」「病気がよくなった」といった言葉が並ぶ広告は、それだけで疑ってかかるのが安全です。

東京都が買い上げた健康食品を調べると東京都が買い上げた健康食品を調べると法令違反の可能性が高いと考えて選んだ125製品94%118製品に不適正な表示や広告が見つかった違反の疑いが強い製品を選んで調べた結果で、市場全体の割合ではないです。
出典:東京都「令和7年度健康食品試買調査結果」(2026)。広告の言葉をそのまま信じない理由の1つとして見てください。

実際、東京都が法令違反の可能性が高いと考えて買い上げた健康食品125製品を調べたところ、118製品(94%)に不適正な表示や広告が見つかりました(東京都, 2026)。違反の疑いが強い製品を選んで調べた結果なので、市場全体の割合を示す数字ではないですが、広告の言葉をそのまま信じない理由にはなります。

品質の見方:GMPと成分量

GMP(適正製造規範)は、原材料の受け入れから製造、出荷まで、決められた手順で管理し、記録を残す仕組みです。料理にたとえると、毎回同じレシピ、同じ計量、同じ衛生管理で作り、あとから確かめられるように記録をつけておくイメージです。

もう一つの目安が成分量です。「医薬品にも使われている成分」とうたっていても、実際の量は効果が期待できないほど少なかったり、医薬品とは使い方が違ったりすることがあります(消費者庁, 2019)。

パッケージでは、次の点を確かめましょう。

飲む前に考えること

厚生労働省のパンフレットは、健康食品を買う前に「本当に必要かどうか」を考えることを最初に挙げています。消費者庁も、保健機能食品は1日の目安量より多くとっても高い効果が得られるものではなく、主食・主菜・副菜のそろった食事が基本だとしています(厚生労働省/消費者庁)。食事や生活で見直せることは、別の記事で詳しく説明しています。

持病がある人、薬を飲んでいる人は、飲み始める前に医師か薬剤師に相談しましょう。厚生労働省も、病気などで体に不安がある人は事前に医療機関に相談するよう呼びかけています(厚生労働省)。

  • 飲んでいるサプリメントは、お薬手帳に書くか、商品名をメモして医師・薬剤師に見せる
  • いくつもの製品を同時に飲まない(同じ成分が重なり、とりすぎになりやすい)
  • 体調の変化があったら、すぐに飲むのをやめる

「男性向け」をうたう製品を見るときのポイント

男性向けの製品によく入っている成分の研究と、強壮をうたう健康食品から医薬品成分が見つかっている問題は、それぞれ別の記事で詳しく説明しています。

勃起の悩みや排尿の悩みがあるときに、健康食品で様子を見続けるのは避けましょう。こうした悩みの陰に、血管の病気や前立腺の病気が隠れていることがあります。

受診の目安:勃起の悩みが数か月続いている、尿が出にくい・夜に何度もトイレに起きるなどの症状がある場合は、泌尿器科に相談しましょう。健康食品を飲んだあとに体調の変化があれば、飲むのをやめて、製品を持って医療機関を受診しましょう。

最終確認日:2026年9月30日

参考にした資料